Bribery & Corruption | 贈収賄・汚職行為
Overview |
各国の贈収賄防止規制について、まずは、「外国公務員に対する贈賄規制」と「国内公務員に対する贈賄規制」の2つの規制に大別できます。例えば、日本においては以下のように大別できます。
- 外国公務員に対する贈賄規制:不正競争防止法第18条の外国公務員贈賄罪
- 国内公務員に対する贈賄規制:刑法第198条の贈賄罪
このような公務員等に対する贈賄行為を禁止する法律は、一般に贈収賄防止規制(Anti-Bribery Act)と呼ばれ、経済のグローバル化、市場経済化の流れを受けて、世界各国でその整備が進んでおり、今や多くの国・地域において公務員等に対する贈賄行為は禁止又は規制され法整備がされている状況にありますが、以下の点に留意が必要でしょう。
- 各国法令の差異:各国の贈収賄防止規制は、たとえ国内公務員を対象とするものであったとしても、必ずしも刑法により一元的に規制しているとは限らないことに留意するが必要であります。また、各国で贈賄罪として立件する具体的金額基準については、当然差異があります。
- 法の域外適用:「外国公務員に対する贈賄規制」については、国外における贈賄行為も刑事罰の対象とするため、いわゆる「域外適用」ある規制として性格付けられます。海外進出企業にとって、当局の摘発リスクがあることは間違いないでしょう。外国公務員に対する贈賄は、当然に現地の贈賄法規制の適用対象ともなります。
- 商業賄賂:非公務員に対する商業贈収賄又は民間贈収賄についても、規制の対象としている国・地域が存在します。例えば、英国、中国、シンガポール、香港及びマレーシア等では、民間贈収賄についても規制対象としています。
特に、いったん外国公務員に対する贈賄が、各国の贈収賄規制による摘発対象となれば、日本企業は、罰金刑の執行による直接的な金銭負担だけではなく、政府開発援助(ODA)円借款事業等における入札参加資格の停止処分、国際開発協力銀行(JBIC)等による融資の期限利益の喪失又は新融資の拒否、大口取引先の喪失、海外事業許認可の取消し、追徴課税、市場におけるレピュテーションの喪失等の様々なリスクにさらされることとなります。海外進出する日本企業にとって、贈賄防止コンプライアンス制度の確立は喫緊の課題であると言っても過言ではないでしょう。
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外国公務員に対する贈賄規制の執行事例集は、下記のリンクよりご覧下さい。
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