事業計画策定支援
金融支援が必要な場合
借入金の返済負担等、財務上の問題を抱えていて、金融支援が必要な中小企業・小規模事業者の多くは、自ら経営改善計画等を策定することが難しい状況にあります。当事務所は、このような中小企業・小規模事業者が、金融機関からの金融支援を受けるために金融機関が必要とする経営改善計画策定を支援致します。
M&Aを実行する場合
買収側(Buy Side)にとって事業計画の分析は、買収価額の算定、買収後のシナジー効果の分析や、統合計画を予測する上でも必要不可欠となるものです。また、事業計画についての十分な分析と検討を行った上で買収の意思決定をすることは、取締役の忠実義務・善管注意義務の履行においても重要なものとなります。一方、売却側(Sell
Side)にとって事業計画の策定は、買収先企業へ自社の将来の事業に対する考え方を理解してもらい、より高い買収価額を提示してもらうために非常に重要なものとなります。また、適切な事業計画を有した上で売却に関する意思決定をすることは、取締役の忠実義務・善管注意義務の履行においても重要なものとなります。
当事務所は、このようなM&Aの実行場面においても当事者が必要とする事業計画策定を支援致します。
主な事業計画策定の目的と課題
目的 | 利用者 | 課題(例) |
金融支援 | 銀行・金融機関・債権者 | 債務の返済ができるか ※ キャッシュフロー・EBITDAの確保 ※ 債務償還年数 etc. |
M&A | 投資者・VC・ファンド | 投資が基準のリターンを上回って回収できるか ※ 営業利益の成長性 ※ シナジー効果 ※ 収益の獲得可能性 etc. |
経営改善 | 経営者・債権者 | 経営改善がなされ、債権等が無事返済できるか ※ 戦略(行動指針)及び改善方策 ※ キャッシュフロー・EBITDAの確保 etc. |
事業計画の策定イメージ
Step 1:環境分析
シミュレーションに必要となる情報を把握するため、自社事業の置かれている環境や自社の強み・弱みを分析します。すなわち、市場(競合・顧客)環境を「機会(Opportunity)と脅威(Threat)」、自社の資源(リソース等)の状況を「強み(Strength)・弱み(Weakness)」に分類し、戦略立案の基礎となる環境分析を行います。
<主な環境分析>
マクロ環境分析(PEST分析等) | 市場環境分析 | 競合環境分析(SWOT分析等) | 事業環境分析(バリューチェーン分析、5 Force分析等) | 製品分析(製品ライフサイクル分析等) | 営業力分析(営業活動分析、広告/販売促進活動分析等) | 生産力分析 | 技術力分析(技術投資評価手法等) | その他
Step 2:シミュレーション
分析結果をもとにシミュレーションを行い、実現可能性を検証したうえで、目標設定と目標達成に向けた課題やその実行施策を検討します。
<シミュレーションプロセス>
⇒ 環境分析の結果に基づき各パラメーターのレンジを設定
⇒ 経営戦略や環境分析の結果に基づくシナリオを作成
⇒ シナリオごとに固定するパラメーターと推計するパラメーターを決定
⇒ シナリオごとのパラメーターの推計
⇒ 目標値を達成できない推計結果がでた場合や設定レンジを超えた場合は、パラメーターを再設定し、再推計
Step 3:事業計画の策定
シミュレーション結果から設定した目標、目標達成のための課題及び実行施策を各計画間での整合性に留意しつつ事業計画として取纏めます。事業計画は将来のあるべき自社の姿と現状のギャップを埋めるための道筋を示す経営の道しるべです。あるべき姿(経営目標)の設定は、事業年度(時間軸)、事業規模(売上、利益、社員数)、事業領域(製品・商品・サービスと市場)の3つの軸を視点として考えていきます。
<主な事業計画の構成要素>
利益計画 | 設備投資計画 | キャッシュフロー計画 | 人員計画 | 売上計画 | 売上原価計画 | 販管費計画 | 研究開発計画 | 生産計画 | 資金繰り計画 | 製品原価計画 | 支払金利計画 | 購買計画 | 運転資本計画 | その他
Step 4:中期経営計画の策定
各事業部門が作成した事業計画を評価し、全社的な経営課題や重点施策を整理し、中期経営計画として取纏めます。すなわち、中期経営計画には、全社戦略のほか事業別の戦略が必要であり、それを実行するための販売、生産、購買、物流、財務といった機能別の戦略に落とし込みます。この戦略に基づいて数値目標としての中期利益計画が策定されることになります。
<主な中期経営計画の構成要素>
経営環境の現状認識 | 経営戦略 | 経営課題、実行施策 | 経営目標 | 前回の中期経営計画の実績 | その他
Step 5:計画管理
進捗状況のモニタリングを行い、適宜計画の修正や実行施策の検討を行います。実際には、経営戦略上重要な指標やビジネスモデル上のKSF(Key Success Factor)となっているパラメーターを重点的にモニタリングし、計画値と実勢値との乖離状況についても個々の指標やパラメーターの特性を考慮し個別に基準を設定する必要があります。
<主な計画管理の構成要素>
⇒ モニタリング:影響度、重要性で範囲と基準値を設定
⇒ 原因分析:計画値と実績値の乖離の原因を特定
⇒ 課題の抽出と施策の立案:改めてシナリオを作成し、シミュレーションを実行
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