USA | 米国

概要

 米国の外国公務員に対する贈賄規制は、海外腐敗行為防止法(FCPA)に規定されており、賄賂禁止条項と会計・内部統制条項を内容とし、執行機関は米国司法省(DOJ)及び証券取引委員会(SEC)です。

  • 賄賂禁止条項:主に外国公務員に対して、賄賂の支払い、申込み、約束、それらの承認を禁止しています。
  • 会計・内部統制条項:主に故意に虚偽の記録を行い、又は内部統制の確立を怠ることを禁止しています。

概要

 FCPAは外国公務員に対する贈賄を禁じる米国法であるが、米国以外の国の個人・法人も幅広く留意すべき特色を有しています。例えば、米国証券取引所で上場している又は米国預託証券により資金調達している日本企業であれば、「発行体」として、米国法準拠の米国子会社であれば、「国内関係者」として、又は、賄賂資金が米ドル送金されるとき又は贈賄に関するやりとりについて電子メールの送受信が米国内で行われるときは「米国内で行為の一部を行った」として、の適用対象となり得る可能性があります。また、海外プロジェクトにおいて贈賄を行った米国企業とコンソーシアムを組成するなど事業上共同・協力関係にあった場合、「共謀者、幇助者又は代理人」として適用される可能性もあるでしょう。

詳細は、米国司法省(DOJ)のWebサイトをご覧下さい。
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執行状況

 外国公務員に対する贈賄について、DOJによる摘発の報道は未だ後を絶たちません。海外事業・取引において米国企業とかかわりがある日本企業は、このような潮流と決して無縁ではないでしょう。ひとたび摘発対象となれば、DOJに対する調査協力及び司法取引に労力・時間・費用を要するだけではなく、法人として多額の罰金の支払い、中心的な役割を担った役職員に対しては数年間の禁固刑、さらには、法人に対する数年間の監督処分という多大なリスクを負担することとなります。

米国におけるFCPA違反による制裁件数推移
米国におけるFCPA違反による制裁件数推移

罰金高額ランキング
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日本企業の執行状況
 FCPAの解釈・運用指針としては、DOJ及びSECが、2012.11.14にFCPAガイドラインを公表しています。当該ガイドラインにおいて、「FCPAの執行は、今後もDOJ及びSECにとって最優先事項である」と宣言されているとおり、2012年以降も積極的なFCPAの執行が続いています。また、日本企業に対しても、2011年、2012年、2014年とDOJによる執行が続いています。

FCPAにおける日本企業の執行状況
FCPAにおける日本企業の執行状況

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外国公務員に対する贈賄規制の執行事例集は、下記のリンクよりご覧下さい。
日本の事例