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不正調査と是正措置
不正調査と是正措置とは、適宜、不正疑惑に対する調査が実施され、適切な是正措置がとられていることをいいます。潜在的な不正の情報を集めるための報告プロセスを確立し、潜在的な不正を適宜対応できるように調査や是正措置の協調的アプローチを使用するべきです。 |
残念ながら、不正が発生しないを完全に保証してくれる内部統制は存在しません。そのため、企業等は予め不正調査及び是正措置プロセスを構築・準備を行うことで、損失回復の確立を高めると同時に訴訟やレピュテーションリスクを低減することができます。
重要なことは、不正調査の担当者は、必要な権限とスキルを有しており、かつ適切な措置を策定し実施できる人材であるべきです。上級管理者が関与していると判断される不正調査に対しては、経営層は積極的に不正調査に関与することが望ましく、また、不正調査を本格的に実施する場合に備えて、一貫性があり柔軟な調査の手順を準備しておくことで、迅速に対応できることになり企業等は損害を最小限に抑えることができるでしょう。特に証拠の保全、機密性の維持、もしくは損害の低減等に必要な手続がある場合、調査責任者はこれらの手続が適切であることを確保するべきでしょう。
経営層が承認した規程に則って、不正調査チームは発見事項を、上級管理職を含む経営層、顧問弁護士、公認会計士等の適切な関係者に報告し、また、法執行機関、当局、投資家、株主、メディア等に情報を公開する必要があるか否かを検討する必要があります。
不正は、経営層だけでは防止できず、トップダウンとボトムアップの両サイドを睨みながら予防策を策定していく必要があります。そのために経営層は、従業員の意識を高め、不正リスク管理プログラムを啓蒙するために、従業員に対する教育・認知に十分時間と資金を費やす必要があるでしょう。
出典:松澤公貴著「「事業上の不正リスク管理のための実務指針」の概説」(2008年11月)より引用
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