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現在、情報システムやインターネットは、企業の運営に欠かせないものになりましたが、情報システムへの依存による利便性の向上と引換えに、大きな危険性を抱え持つことになっています。情報システムの停止による損失、顧客情報の漏洩による企業のブランドイメージの失墜等の情報セキュリティ上のリスクは、企業に大きな被害や影響をもたらします。また、多くの場合、被害や影響は取引先や顧客などの関係者へも波及します。企業にとって、情報セキュリティに対するリスクマネジメントは重要な経営課題のひとつであり、特に、個人情報や顧客情報などの重要情報を取扱う場合には、これを保護することは、企業にとっての社会的責務でもあります。
漏洩内容 | 事例 | 影響 |
従業員情報 | 従業員情報には、「健康診断結果」や「経歴」「成績表」も含まれている可能性があり、このようなプライバシーに係る情報が外部に流出した場合は、個人情報保護法に抵触するだけでなく、個人に対しても大きな精神的苦痛を与える可能性があります。
従業員の組織への不信感、仕事に対するモチベーションの低下等の間接的な影響も考えられます。 |
⇒従業員の会社への不信感・精神的苦痛 |
顧客情報 取引内容 |
クレジット加盟店に不備があり、クレジットカード情報が漏洩・窃取された場合は、情報を流出させた企業の信用失墜だけではなく、被害者へ謝罪金等の補償や対策に係る費用、信頼回復に係る費用に加え今後の経営戦略にまで大きな影響を及ぼしてしまうでしょう。 | ⇒顧客・取引先からの信用失墜 ⇒経営戦略の変更 |
研究情報 製品情報 |
製品を開発している企業の場合、研究情報や製品の設計情報が窃取され、他の組織に転売されてしまう危険性があります。発売前の製品が競合他社に先を越され、ビジネスチャンスを逸する可能性があります。 先に特許を取得され販売できない事態となった場合、企業が今まで投資してきた研究開発費が無駄となり、今後の経営戦略に大きな影響があります。 設計情報等の企業で機密にしているノウハウが流出した場合、他社との優位性が薄れる等、競争力が低下します。 |
⇒ビジネスチャンスの喪失 ⇒研究開発費の無駄 ⇒競争力低下 |
日本の上場企業の状況 |
東京商工リサーチの調査によると、2012年1月から2015年6月までに上場企業と主要子会社で個人情報の漏洩い・紛失事故を公表した企業は179社、事故件数は288件にのぼったようです。漏洩した可能性のある個人情報は累計で最大7,148万人分に及ぶことがわかり、これは日本の人口の2人に1人の割合に匹敵します。
情報漏洩・紛失事故推移
上記288件のうち、個人情報が10,000件以上漏洩・流出した事故は37社で39件(構成比13.5%)に及ぶようです。なお、原因別割合は、以下のとおりになっています。
要因別内訳
詳細は、東京商工リサーチのWebサイトをご覧下さい。
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